カラオケボックスでは24時間営業している営業形態と、閉店時間が決まっている営業形態の店舗があります。
閉店時間が決まっている営業形態の店舗では、稀に閉店時間過ぎても帰らないお客様がみえます。
24時間営業の店舗であれば、延長料金がかかるだけであまり気にはしませんが、閉店時間が決まっている店舗で帰っていただけないお客様に遭遇すると、帰ってもらうのに一苦労することがあります。
帰らない理由は様々ですが、グループで盛り上がりすぎて時間を気にしていなかったり、寝てしまい退室してこない、特に寝てしまっているお客様はどれだけ起こそうとしても起きないケースが多々あり、店舗の閉店作業にかなり支障をきたします。
お客様が帰らないケースにはもう慣れましたが、昨夜少し変わった理由で退店してもらえなかったグループがありました。
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一つのグループ(6人)が閉店時間過ぎてもルームから出てきませんでした、私(エリアマネージャー)はこの店舗の事務所で書類の整理をしていましたが、アルバイトのスタッフから閉店時間過ぎても出てこないので、ルームに直接退店をお願いしたら怒られましたと言い事務所に来ました。
アルバイトスタッフは怒られた理由がわからないと言い困った様子。
私と一緒にいた店長が、ちょっと行ってきますとそのルームへ行きました。
時刻は閉店時間を20分ほど過ぎている、私も店長の後に続きついていく。
店長がルームのドアをノックしてドアを開けると、スーツを着た恰幅のいいサラリーマンが4人と女性が2人いました。
店長の方から「先ほどは失礼しました、ただ今閉店時間を過ぎており店員がルームにお邪魔しましたが、何か失礼な事がありましたでしょうか」と尋ねると。
どうも会社の何らかの資料を基に、音声を録音していたらしくその途中で店員が入ってきた為に、録音しなおしとなった事で店員に激高したらしいのだ。
お客様「お前のところのバカ店員のせいで録音しなおしとなった、どうしてくれる!」
店長「なるほど、しかし私どもの店舗にバカ店員と言う名の店員はおりません」
いつもなら穏便に話をお客様に合わせる店長が珍しく、反論姿勢をみせた。
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お客様「どうしてくれると言ってるんだ」
店長「どうしろとおっしゃるのですか?」
お客様「さっきの店員呼んで、一緒にあやまれ」
店長「わかりました、ではまず閉店時間過ぎて居座った、威力業務妨害している事を先に誤ってください」
お客様「なんで客があやまるんだ!」
店長「時系列はこうです、閉店時間過ぎても出てこない行為が先に行われ、そのために店員が部屋に入った事で今回の過失は生まれています」「ですからお客様が謝るのが先です」
お客様「じゃ今回録音妨害に対して損害賠償を訴えるぞ!」
店長「結構ですよ、私どもも今回の威力業務妨害に関して損害賠償をさせて頂きます」
「それとこの部屋での会話は店舗管理者権限で、録音させていただきます」
お客様「もういい、帰るぞ」
店長「お会計はこちらになります」とレジまで案内
お客様は渋々会計を済ませて帰りました。
店長が私に「対応どう思いますと聞いてきた」
私「お客様を怒らせたまま帰した対応は30点だけど、個人的には100点あげたいね」
店長「うちのスタッフをバカ店員と言われた事にどうしても見過ごせなくて」
この店舗の店長が店員に人気があるのがわかる気がします。
私「ところで店舗管理者権限て何?」
店長「私の特権です」
私「・・・」
今回はたまたま言葉巧みな店長の流れで、お店側が勝ったような印象がありますが、接客業は勝ち負けではないので、少し考えさせられる出来事でした。
接客でのトラブルは逆を言えばチャンスなのです、店舗で一度トラブルになったお客様はうまくトラブル対応(お客様が満足)して帰らせる事でヘビーなお店のファンになります。
個人的にはこの店舗の店長は人間味があってとても好きですから、見習いたいなと思う事も多くあります。
私も店舗の店長をしていた時は様々なトラブル対応をしてきました、この店舗の店長ほど言葉巧みにはトラブル対処できてはいませんでしたが、どうやってこのお客様を納得させ、売り上げにつなげてやろうかと、ある意味腹の黒い思いを抱きながら対応していたように思います。
あなたは今回の店長の対応はどう思いますか?
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